天然学 - 天然の本質に迫れ

天然について誰よりも深く研究します。

「天然の人は自分が天然だと思っていない」問題

意図せず面白いことを言ったりやったりして笑いを誘う天然ボケの人。彼らの特徴的な言動のひとつに挙げられるのが「天然の人は自分が天然だと思っていない」という点です。つまり、「わたし、天然なんです」などとのたまう人は偽物であると。結論からいえば、この通説はかなり正しいです。今回は、この「天然の人は自分が天然だと思っていない」問題について考えてみたいと思います。

 

天然の人と話すことがあるとわかりますが、彼らは驚くほど無自覚です。初発の天然の人に「あなたは天然ですか」と言うと、たいていは「違います」と返ってきます。客観的にみてまず間違いないような典型例の人ですらそういいます。ここは否定されるまでがお約束の展開というか、もはや様式美というか。時には「天然って何ですか」と逆質問が返ってくるパターンもあります。ここで天然について解説しても、自らが天然と呼ばれる類いの人間であることを彼または彼女が理解してくれることはないでしょう。

 

とはいえ、彼らにも学習能力があります。年中同じ指摘をされれば、さすがに「私は天然らしい」くらいには思います。この段階に至ると、あなたは天然ですかという質問に「はい」と答えるようになります。しかしここからが重要なポイントで、彼らは自分が天然であることをはっきりとは認識していないのです。
例えばあなたが健康診断で糖尿病だと言われても、「はあそうですか。まあ先生がいうならそうなんでしょうね。」くらいにしか思いません。やっぱりそうですか、私もそう思っていたんですよ、とはならないのが普通です。「糖類は控えてくださいって医者に言われてるんだよね」と言いながらラーメン大盛りにライスをトッピングする人なんてたくさんいます。同じようなことが天然にも起こっていて、彼らはなんら症状は感じていないし、危機感もありません。


つまり彼らが言う「天然を自覚した」というのは、あくまで「周囲の人間に天然と言われることが多いという事実を認識した」だけであり、真の意味で自覚しているわけではないのです。

 

したがって、冒頭の問題提起に戻ると、彼らはやはり自分が天然だとは思っていないのです。「わたし、天然なんです」という人には、なぜそう思うのかを聞いてみましょう。本物は根拠が薄弱です。「いや、周りの人がそういうんです」みたいなことを小声で言い出すことでしょう。一方で天然のフリをしている人たちは、面白くてかわいいエピソードをつらつらと語ってくれますよ。