天然学 - 天然の本質に迫れ

天然について誰よりも深く研究します。

天然「風が吹けば桶屋が儲かる」

優秀なのに天然、そんな人がいます。なぜあんなに頭がいいのに発言は変なのか、なぜその優れた知性を常識を学ぶことに使わないのか。色々と不思議ですが、今回はとりわけ「謎発言」に焦点を当ててみましょう。

 

天然な人の発言は、一見すると関係ないけれど本人の頭の中では繋がっているために起こります。

 

風が吹けば桶屋が儲かる

突然ですが、「風が吹けば桶屋が儲かる」ということわざをご存知でしょうか。江戸時代のことわざで、

風が吹くと砂が舞って人々の目に入る。

目に砂が入った結果、失明する人が現れる。

失明した人は生計を立てるため三味線をひく。

三味線を作るのにネコの皮が必要なので、ネコが狩られる。

ネコが減りネズミが増える。

ネズミが桶をかじる。

困った人々が桶を買うので桶屋が儲かる。

注)当時三味線をひくことは、目が見えなくてもできる数少ない職業だった。

 

風と桶屋の儲けのように、一見関係がないことも実は繋がっているんだ、という意味のことわざです。

 

天然は高速版「桶屋」

さて、頭の回転の速い天然の人たちの中でも同じことが起こっています。意外ですが、彼らは彼らなりにちゃんと考えているのです。それどころか彼らの思考速度はとても速く、時には新発想も生まれています。

 

それはさながら桶屋のことわざのよう。風が吹いたときに「桶屋が儲かりそう」なんて言い出せば変な人ですが、彼らは風が吹いた瞬間に「風→砂→目→三味線→ネコ→ネズミ→桶」と超高速で連想を始め、瞬時に桶屋が儲かるという結論に到達します。

 

一方で聞き手は彼らの思考速度に追いつけなかったり、あるいは彼らの斬新な発想についていけなかったりするため戸惑うことになります。彼らが思考過程を明かさないこともあり、それは理解不能な発言に聞こえます。かくして天才な発言は聞き手により天然な発言に認定されるのです。

 

実際に天然発言を詳しく追究すると、1度は「なるほど、そういうことね」となります。もっとも、多くの場合はその上で「いや……待って。砂ぼこりで失明はさすがに無理があると思うよ。」とツッコむまでがお約束の展開です。それっぽく聞こえるけれどどこかズレた感性が天然らしさに溢れています。